シナリオプランニング
シナリオプランニングとは、5~10年先の将来において起こり得る未来の可能性を複数描き、その結果を企業や個人における様々な検討の材料として利用する手法のことです。
闇雲に考えたり、行動するのではなく、起こり得る未来を認識し、未来がどうなるのか、その未来がなぜ起こるのかを考えストーリーを作る。
それを元に客観的に考え、行動していく。
未来の出来事を想定することで、直観的に社会の構造的な変化を理解できるようになり、不確実性に対応する意思決定能力を養うことができ、また良い未来から悪い未来まで、両方のシナリオを練ることで、対応可能な範囲を検討しておくこともできます。
企業における活用例は、石油会社のロイヤル・ダッチ・シェルが1965年に使い始めたのが始まりで、1970年代の石油危機を乗り切ったことで有名になりました。
数十年シナリオプランニングを活用してきたシェルは、シナリオプランニングが組織にもたらす効果として以下の5つがあるとしています。
1. 意思決定の質が向上する
2. 考える力が組織全体に拡がる
3. 組織が環境の変化にいち早く対応できるようになる
4. マネジメント力が強化される
5. リーダーシップを発揮するためのツールとして活用できる
日本でも多くの企業がシナリオ・プランニングを採用しています。先の見えない経済・市場動向にあって、シナリオプランニングの手法を取り入れることは企業戦略として有効な手段のひとつであるといえます。
また、シナリオの使い方は2通りあり、会社がA、B、C、Dという複数の未来(シナリオ)にどう「適応」するかを考えて行動していく方法と、Aという理想とする未来(シナリオ)になるように自分たちが何ができるかを考えて「変革」を起こすために行動していく方法があります。
VUCA時代の必須ツール「シナリオ思考法」~ITmedia エグゼクティブ~
組織変革のためのシナリオプランニングの考え方
解説:新井宏征 氏
シナリオプランニングを使った事例 「東京未来シナリオ2035」
東京未来シナリオ2035 – 調査・研究|財団法人 森記念財団
東京未来シナリオ2035は森記念財団の調査として行われたもので、竹中平蔵氏を全体統括として、2010年に行われた25年先のシナリオを描こうというプロジェクトです。
戦略作成の手法として、シナリオプランニングの手法を用い、東京が目指すべき都市像を実現するための政策や実行手順をこれによって導き出し、可能性のある道筋を見出して行こうというものです。